福岡エルフの木〜被災地の妊産婦さんと子供達に野菜を届けるプロジェクト

《被災地の方々に九州産の無農薬野菜と「伴走する心」を届けます。また被災地以外の方々に食物と命の問題への意識喚起を行っていきます》ボランティア団体「福岡エルフの木」は、九州産無農薬野菜を福島に届けるプロジェクトを行ってます。妊婦や授乳中の女性、子供達、仮設住宅の方々に少しでも笑顔になっていただければ幸いです。 →*2016年4月に熊本地震、2017年7月に九州北部豪雨災害が起こりました。福島の支援先の方々の要望もあり、熊本震災や九州北部豪雨災害復興支援にも注力させていただきます。ご理解のほどお願い申し上げます。


明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。

■昨年秋の日本山岳修験学会で発表した「英彦山修験道における自然信仰と森林文化再考」の内容を、論文にまとめています(投稿期限までだいぶ時間があるのですが)。
年末年始は、実家の英彦山で初参りや山仕事でした。
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■ 朝倉・東峰・添田の三地域をつなぐ流域文化復興支援サイト「MILL(ミル)」を昨年末に公開しました。目下「三連水車存続の危機」を回避したいという気持ちで、タイトル画像に水神社をおいています。
サイトを立ち上げるプロセスで、朝倉市で活動している方々にフィードバックをいただきました。その一人がギャラリーcobacoの秋重さんから3/4-12にある展覧会「芸術実験 旧朝倉幼稚園」の案内が届きました。以下のページに紹介しています(1/10-11にある知足研展(卒研生と修士学生)の案内も載せています)。



(ページ転載)

秋重久美子さん(gallery cobaco)より展覧会の案内が届きました。秋重さんは朝倉市で先進的なアート活動を展開しているギャラリストです。「芸術実験 旧朝倉幼稚園(Art Experiment inFormer Asakura Kindergarten)は、普段芸術と関係のない施設や空間にアートをプラスすることにより地域の魅力を考えるきっかけをつくるものです」とのことです。昨年、第一回目が原鶴温泉のやぐるま荘にて開催。2023年は、閉園された旧朝倉幼稚園と朝倉市役所本庁にて開催予定です(3/4-12)。  意図せず偶然に出会う幸運をセレンディピティ/Serendipityといいます(イギリスの小説家ホレース・ウォルポールの造語)。アートの力のひとつが、このセレンディピティを生み出すことです。これまで感じたことのない感情や経験、人や場との幸運な出会いをもたらしてくれます。さらに秋重さんのプロジェクトの面白さは、アートそのものへの偶然のアクセスがもたらされることにあります。みなさんもぜひ足をお運びください。

 2023年3月4 -12日  開場時間:11:00 –17:00(入場は16:30まで)入場料:600円 

会場:○旧朝倉幼稚園(福岡県朝倉市菱野1142)    ○朝倉市役所・本庁1F(福岡県朝倉市菩提寺412-2)※朝倉市役所は平日のみオープン。 

関連事業ワークショップ「いろいろな形で染めてみよう!」で制作された共同作品《あさくらのタカラモノふうけい》の成果作品を展示します。 

問合せ先:ギャラリーコバコTel: 0946–22–3490 Instagram: geijutsujikken https://gallerycobaco.com 


芸術実験旧朝倉幼稚園_ページ_1

芸術実験旧朝倉幼稚園_ページ_2





  2023年1月10-11日に、九州大学芸術工学部(大橋キャンパス)多次元実験棟ホールで知足研展が行われます。知足研究室所属の学部4年生〜修士学生の作品を展示します。パフォーマンス(照明×アウフグース)、造形美術(立体・平面)、インタラクティブアート、VR作品、インスタレーション、映像演劇、ジェンダーレスファッション、ピクセルアートなど、多様な作品を展示しています。どうぞ足をお運びください。 

2023年1月10-11 日開場時間:10:00 –19:00(入場は18:30まで)入場無料  

会場: 九州大学芸術工学部多次元実験棟ホール(福岡市南区塩原4-9-1)
 https://twitter.com/tomotarilab/status/1608703146909655043?cxt=HHwWhoDTyaS_odMsAAAA


知足研展

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知足研展1

知足研展2

















知足です。

 福岡県朝倉市、東峰村、添田町をつなぐ(2017年九州北部豪雨災害被災地)流域文化復興支援サイト 「Mill(ミル)」の制作に取り組んでいます。この3つの地域は被災地であると同時に、英彦山と筑後川を結ぶ「水」の恵みと「流域」の文化を共有しています。タイトルには英語の「水車小屋」という意味と、日本語の「みる」という響きを重ねています。水の恵みが、粒子のようにあまねく流域に広がること。よくみて、関心をもってもらうことを願い、九州大学芸術工学部(知足研究室)が中心となって制作しています。   三流域の現地取材を、6/29と7/10に行いました(地域の方々が案内)。その中で、 寛政元年(1789)から稼働し続けている「三連水車」も見学しました。
→制作したホームページ「MILL(ミル)」を12月に
公開しました。ぜひアクセスしてください。

三連水車は国指定史跡の重要な文化財です。約230年間も本来の農業用途のために動いてきた「日本最古の水車」なのです。素晴らしいリビングヘリテージ(生きる文化財)として、地域内外の精神面を鼓舞してきたといえるでしょう。(三連水車の存続の危機については、このページの後半で説明しています)


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「三連水車」
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 故・中村哲氏は三連水車や山田堰(ぜき)の灌漑システムに学び、アフガニスタンに貢献したとのことです(→産経新聞記事

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「山田堰」

 この三連水車がいま、存続の危機に陥っています。以下の10/5朝日新聞記事をお読みください(執筆者の渡辺記者は上記の見学会にも同行)。
 
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「日本最古級の現役水車ピンチ 農家の維持費増 大工の技術継承問題も」
朝日新聞 10月5日 渡辺純子記者
https://www.asahi.com/articles/ASQB461RJQ9GTIPE00V.html


日本最古級の現役水車「三連水車」の存続が危うくなっている。福岡県朝倉市の観光シンボルだが、管理しているのは農家たちで、負担が膨らんでいるからだ。独自の技をもつ水車大工の後継者もいない。もう電気ポンプにするしかないか――。そんな声が出ている。

 川に並ぶ三つの水車が勢いよく回り、水をくんでは樋(とい)にざあざあ注ぐ。川より高い田に水の力だけで水を送る、江戸時代にできた水車だ。近くの二連水車ふたつと合わせて国史跡に指定されている。「疎水百選」や「世界かんがい施設遺産」にも選ばれ、市の観光パンフの表紙を飾る。次々と人が訪れては写真を撮っていく。

 その横で山田堰土地改良区の古賀敏雄理事長(70)がつぶやいた。「古き良きものをなくしたくないけど、農家の負担が重すぎる」

 水車の所有者は周辺の農家約1千戸でつくる改良区だ。農家から集めた賦課金で水車を回している

 補修や組み立てにかかる経費は年150万円ほど。行政の支援は年50万円の市文化財補助金のみ。木の水車はすり減るため5年ごとに造り替え、二連と合わせて1千万円近くかかる。農林水産省などの補助はあるが、3割は改良区がもつ。

 こうした経費が年々膨らんでいる。部材となるスギやアカマツ、カシはかつて地元で入手できたが、今は県外まで行かないと良いものを調達できない。人材難で人件費も高騰している。ウッドショックも重なり、2年後の更新時の見積額は1500万円ほど。3割で450万円の負担となる。

 壊れた時の修理なら文化庁の補助が出るが、5年ごとの更新は「日常的な維持管理」とされ、対象にならない

 一帯は穀倉地帯で、米価が高いころは農家も裕福だった。だが米価は年々下がり、農家は高齢化した。農家の経営は厳しく、賦課金を値上げできる状況ではない。電気ポンプにすれば経費は半分以下になると試算されている。これまでも電気ポンプにする話は出たが、「朝倉のシンボルをつぶすわけにいかない」と踏ん張ってきた。

 知恵も絞ってきた。8年前には改良区がJAなどと保存会を作って募金を始めた。だが広がりはいまいちで、収入は年数十万円。見学料や、商品への画像使用料をもらうことも考えてはみるが、人手がかかり、踏み切れない。「三連水車」の商標登録は業者に先を越されていた。前々回の更新時は古い部材を園芸用品にして売るアイデアをひねり出した。しかし手間の割に収入は少なく、前回の更新分は廃棄した。打開策がないまま、次の更新が迫る。

 2017年の九州北部豪雨では流木やゴミがからまったが、水車自体はほとんど壊れなかった。改良区役員らが総出で取り除いて約1カ月で復旧させ、「復興のシンボル」と言われた。山田堰を参考にアフガニスタンを緑化した故中村哲氏は、三連水車をモデルに鉄の水車を現地に造った。

 知名度が上がって観光客が増えても、農家や改良区の収入は増えない。むしろ冬場に来た観光客に「なんで回ってないのか」と責められることもあるという。

 朝倉市商工観光課は「水車は観光の目玉だが、困っている伝統産業や文化は他にもある。観光客にお金を落としてもらう仕組みを地元に考えてもらいたい」という。

 古賀理事長は「水車は農業施設だと理解されていない。観光資源の要素が強いのなら、農家の負担を軽くしてほしい」と訴える。

 さらに切実なのが、水車を造り、日々手入れをする技術の継承問題だ。後継者探しは、地元でただ一人の水車大工の妹川幸二さん65)に頼っているのが現状。部材を竹で組み立てる独自の技は、熟練の大工がさらに修業してやっと身につく。「だれでもできる仕事じゃねえ。でも水車じゃ食っていけん」。加工された部材を組み立てる工法が増えたせいか、熟練の大工が減り、候補を探すのも大変という。妹川さん自身も体調が思わしくない。(渡辺純子)

識者「農家以外の受益者意識高めて」

 大分県豊後大野市の農業用水路「緒方井路」にも水車があるが、合併前の緒方町が平成になってから復活させたものだという。経年劣化した1基を昨年造り替えた際は、費用約250万円を市が全額負担した。担当者は「観光名所だから」と話す。

 熊本県山都町の国重要文化財、通潤(つうじゅん)橋も地元の土地改良区が管理しているが、所有者は町だ。地震や豪雨で壊れた際の復旧工事に約28千万円かかったが、国が85%、町が15%を負担した。石製なので水車のような更新はなく、改良区によると日々の管理も難しくないという。

 木製閘門(こうもん)のある、さいたま市の国史跡「見沼通船堀」は改良区などが所有するが、管理は市。2021年度から3億円以上かけて改修中だが、現在は農業用水を使っていないこともあり、改良区の負担はない。

 水車に詳しい農研機構の広瀬裕一上級研究員は「朝倉の三連水車は日本の代表的な水車。たしかに直接の受益者は農家だが、商工業者や観光客も間接的に利益を得ている。行政の支援に加えて、農家ではない人たちの受益者意識を高め、水車の保存に生かす仕組みが必要ではないか」と話す。




*山田堰から堀川用水、三連水車へと向かう
水の動きを30秒の映像にまとめています。

















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 アートガーデン《植物の一年時計 (Seasonal Flowering Clock)》を九州大学伊都キャンパス入口近くに制作しました(→作品ページ)。これは、植物が1年にわたり順に開花するようデザインされたアートガーデンです。2022年6月に開催されるGYA(グローバルヤングアカデミー学会)「感性と理性のリバランス、包括性と持続性に向けた科学の再生」のために九州大学(伊都キャンパスビックオレンジ前)に制作されました。 このアートガーデンは、九州北部豪雨災害(2017年)の復興支援として「黒川復興ガーデン」を制作したことから発想を得ています。

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このアートガーデンは、九州大学にある「生物多様性保全ゾーン」に自生する在来種を中心に植栽されています。また、方角を明記し、日の出・日の入り、北極星の位置など、星々と自分のつながりを感じるように設計されています。このガーデンは、修験道の曼荼羅のオマージュです。曼荼羅は、大いなる関係性の中で私たちが生かされていることを表現しています。人々の心の中に、自然の循環や時間への想像力を喚起し、現在の植生を将来世代に伝えるものです。 

 春分、秋分の日は、真西に沈む夕陽をこのガーデンに立って眺めてほしいです。

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矢原先生と植栽

生物多様性ゾーン

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The plants of this art garden are designed to bloom in sequence over the course of a year.The garden was created at Kyushu University (in front of Big Orange, Ito Campus) for the GYA (Global Young Academy Conference) "Rebalancing Sensitivity and Reason, Revitalizing Science for Inclusivity and Sustainability" to be held in June 2022. It was inspired by the creation of the "Kurokawa Recovery Garden" to support the recovery from the torrential rain disaster in northern Kyushu (2017).They are intended to evoke our imagination about the cycles of nature and time, and to pass on the vegetation of the present to future generations.The plants are native species to the biodiversity reserve of Kyushu University. The garden is also marked with north, east, west, and south, and is designed to help visitors feel a connection to the stars, the sunrise and sunset, and the position of Polaris.This garden is a homage to the Shugendo mandala that expresses that we are all connected and this great relationship keeps us alive. This art garden will evoke in people's minds an image of the cycles of nature and time, and is a way to pass on the vegetation of the present to future generations. On the vernal and autumnal equinoxes, I hope you will stand in this garden and watch the sun set in the true west.




【作品制作】
知足美加子

【実行委員】
安田仁奈
岸村顕広
矢原徹一

【造園】
宗像緑地建設株式会社

【英語監修】
Duncan Butland

【動画制作】
九州大学知足研究室
渡邉慧大、濵田輝、内藤真星
依田拓海、於保杏咲、伊藤連胆

【協力】
Global Young Academy
公益財団法人日本学術協力財団 原田弘二基金
九州大学
英彦山神宮
曹洞宗万歳山 龍国寺






















 知足です。
 日本茅葺き文化協会→HP)の茅葺きフォーラムが、5/14に福岡県うきは市(九州北部豪雨災害被災地近郊)で開催されることになりました。テーマは「棚田と茅葺き民家と地域づくり」(→チラシPDF)です。私は、茅葺きについて門外漢なのですが、「アートと復興支援」という枠で登壇を依頼されています。
 4/29に代表理事の安藤邦廣先生(筑波大学名誉教授)が英彦山の茅葺きと茅場(鷹巣原高原)の視察に来られました。茅(ススキ)の伐採をふくめ、茅葺きが自然循環型の仕組みを生み出していたことを、先生にご教示いただきました。フォーラムが楽しみになりました。

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安藤先生のお話によると、
鷹巣原高原は草原と森が隣接し、
鷹にとって狩りがしやすい環境だそうです。
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英彦山の巨石信仰のひとつ「亀彦地王神」です。
少し離れたところにマチュピチュのような
「針の耳」もあります。
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丁寧に手入れされた高原だとほめておられました。

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故・長野覚先生(英彦山修験道研究者)の生家・守静坊の茅の葺替えについて、阿蘇の茅葺職人の方が安藤先生を案内されたそうです。写真家のエバレット・ブラウンさんの住居となります。
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古民家再生活動をされている野見山さんとエバレットさんが、市民の方々と茅を運ぶワークショップをされていました。その後、鬼杉不動の報告会に来られていたとのことです。→4/2報告頁


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霧がたちこめる英彦山は、
生命力と霊気が満ちていました。
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英彦山神宮下津宮の鬼杉不動を拝みにきました。
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護摩焚きや自然環境に呼応して、
鬼杉不動の色味が変化しているように感じました。

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偶然ですが、英彦山神宮とネイティブアメリカン(ナバホ族、アパッチ族)の祈りの場に立ち会いました。マット・テイラー監督によるドキュメンタリー撮影の現場です。バッファローの皮を英彦山の聖水で清める様子でした。5/1に太鼓を制作するそうです。その太鼓によるネイティブアメリカン(ホピ族)のダンスが2022年10月22日、英彦山神宮に奉納される予定です。
4/29は英彦山神宮高千穂宮司による祝詞、山伏の法螺貝、ナバホの祈り、アパッチの笛とダンス、子どもたちによる太鼓演奏(和太鼓たぎり)による奉納がありました。(*「和太鼓たぎり」は英彦山山嶺の糸田町の団体で、二度の全国大会優勝経験があります(→記事)。太鼓の振動が大地や空気を震わせているようでした)一部を以下の動画で紹介しています(5分)。修験道には、天道の修行に神楽(かぐら)があります。神楽は反閇(へんばい)といって、大地を踏みしめ、大地の霊を丹田(身体の腹部)に鎮めることが大切なのです。ネイティブの方の祈りやダンスにも、自然への敬意と繋がりを感じました。般若心経とダンス、太鼓、水の流れる音が、「習合(互いに学び調和する)」した不思議な時間でした。






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【安藤先生からのお言葉】

 知足さん。先日は一日英彦山をご案内いただきありがとうございました。鷹巣原と杉林そして紅葉や桜や石楠花などの広葉樹の庭の織りなす多様な生態、それらが石積によって縁どられた景観は驚くばかりです。一軒の茅葺の復活で、その深遠な世界が垣間見えてきます。
 山の急斜面に刻まれたその壮大な風景はエジプトやインカのそれに比べると、多様で持続可能で平和である。それこそが修験道であり、今世界に伝えるべき役割が日本にある。その生態と風景が一日も早く蘇ることを願ってやみません。




















 知足です。
 2022年4月2日(土)、「英彦山と杉《鬼杉不動》制作報告・参拝」が行われました。88名(←縁起がよい)の参加があり嬉しく思います。
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英彦山神宮(福岡県田川郡添田町大字英彦山1)https://hikosanjingu.or.jp/access/

■高千穂有昭(英彦山神宮禰宜) 「英彦山神宮と修験道文化」

■知足美加子(九州大学芸術工学研究院教授) 「鬼杉落枝と千本杉による《鬼杉不動》制作報告」

■渡辺敦史(九州大学農学研究院教授) 「英彦山スギのDNA解析」

 *清水邦義先生は体調不良のためご欠席
■杉岡世邦(九州大学博士後期、杉岡製材所) 「英彦山霊木の製材」

 *寺西明男町長(添田町)挨拶

■高千穂秀敏(英彦山神宮宮司) 「閉会の挨拶」

■英彦山神宮下津宮にて《鬼杉不動》参拝
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 報告の内容は、以下のPDFで公開しています。

https://www.design.kyushu-u.ac.jp/~tomotari/OnisugiFudo.report.pdf

「英彦山修験道における自然信仰と森林文化再興のための ⻤杉落枝と千本杉による不動明王像制作」
"A Sculpture of Fudo Myoo with the Fallen Branch of Onisugi Cedar and Senbon Cedar for Revival of Nature Worship and Forest Culture in Hikosan Shugendo"
 
高千穂秀敏宮司、有昭禰宜(ねぎ)から、「神仏習合の英彦山修験道の復活、再興の道が始まる」とうかがったときは、先祖の苦難に思いを馳せ、胸があつくなりました。
 ご協力いただきました登壇者の皆様、参加者の皆様、サポートしてくださった英彦山神宮や地域の方々、知足研のみなさん、本当にありがとうございました。心より感謝申し上げます。

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高千穂有昭(英彦山神宮禰宜)
「英彦山神宮と修験道文化」
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知足美加子(九州大学芸術工学研究院教授)
「鬼杉落枝と千本杉による《鬼杉不動》制作報告」
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参加者は講話していただいた方がよいような
すごい方々ばかりでした。
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渡辺敦史(九州大学農学研究院教授)
「英彦山スギのDNA解析」
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杉岡世邦(九州大学博士後期、杉岡製材所)
「英彦山霊木の製材」
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寺西明男町長(添田町)挨拶
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高千穂秀敏(英彦山神宮宮司)
「閉会の挨拶」
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奉幣殿から下津宮への移動
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高千穂有昭禰宜と山伏達による読経
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仏教の《鬼杉不動》と神道の榊(さかき)が
共に活かしあっています。
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近くで参拝していただきました。
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英彦山を愛する方々の心が集まり、喜ばしい1日でした。

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報告会後の法螺供養(有昭禰宜と宗源さん、
参加者のエバレットさん、野見山さん)です。
*画像撮影 内藤真星

↓法螺貝の音のみの動画です
 




【参加者のお言葉】


 この度は《鬼杉不動》制作報告会にお誘いいただきありがとうございました。

 初めて英彦山に拝登しましたが、長い石の参道、幾つもの宿坊、満開のミツマタ、英彦山神宮の美しさ、法螺貝の音色、講師の先生方そこに集う方々全てに不思議なご縁を感じました。

 素晴らしい聖地です!子どもたちとこの場の雰囲気を味わえたことも何かにつながっていくことでしょう。

 日頃からお寺は先祖供養と同様いやそれ以上に大事な事はお寺が修行道場であることと思っているだけに、有昭禰宜の「修験道復活」そして「宗派を超えてこの地を守っていく」ことに大きな希望をみた思いです。次に行く時は上宮まで登りたいです。

 それからなんと言っても『鬼杉不動』の凛々しさに驚きました。とても新しく納められたお不動様とは思えない風格と威厳に目を見張りました。修験道の復活の半分は既になされたのかもしれません。

 ご縁のできた方とも今後関わっていけたらと思います。

 この度はおめでとうございました。嬉しさを噛み締めながら帰路につきました。

                    健仁合掌(糸島、龍国寺)







 
























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知足です。
 昨日は勤務先の卒業・修了式と、その間に九州大学アジア・オセアニア研究教育機関の講演(3/23)が入り、慌ただしくすぎました。その講演の中では、これまでのアートによる復興支援の活動を紹介しています。
 ただ、心に重くのしかかるのは、いま現在、不当に失われていく命や幸福、増大しつつある憎しみと不安です。ポーランドのクラクフには、後輩(大学と協力隊)のアーティストの宮永匡和君が27年住んでいます。ポーランドで家庭を築いています。連絡したところ、以下のような返事がかえってきました。多くの人にシェアしていただければと思い、転送します。リンクの動画の34分から、宮永君が支援活動を報告してくれています。

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知足さん  ご連絡ありがとうございます。
本当にお久しぶりです。こちらは僕も家族も皆元気にしています。 ポーランドに来て今年でもう27年目になるのですが、きっかけを作ってくれたのは知足さんでした。筑波時代が懐かしいです。  

ロシア軍のウクライナ侵攻が始まってからもうすぐ1か月経ちます。
日本のニュースでも報道されていると思いますが、ポーランドには昨日までの段階で214万人以上のウクライナからの避難民が入ってきています。そのほとんどがプシェミシルを経由してワルシャワやクラクフ、ヴロツワフなどの大都市に移動しています。
クラクフでは約13万人の避難民が生活を始めています。その大半は空きアパートや個人宅、学生寮などを仮住居として暮らしていますが、その数も不足し始めているので、残りの避難民はスポーツ施設や教育関係施設などに設置された集団避難所に入っています。
先日からJCFの鎌田實先生の依頼もあり、僕も集団避難場への援助物資の調達、ポーランドの学校に通い始めるウクライナの子供たちの援助など避難民の支援活動に参加しています。昨日、鎌田先生たちとZoomでお話しした様子がYoutubeで見れるようになっているので、お時間があるときにご覧ください。

https://www.youtube.com/watch?v=yAd4VKYLL1E (開始34分で宮永匡和さんの報告



また、よろしければこの収録映像を知足さんのお知り合いの間でシェアしていただき、募金活動に協力していただけると嬉しいです。詳しくはJCF日本チェルノブイリ連帯基金のサイトをご覧ください。
 https://jcf.ne.jp/wp/archives/6538  
ロシアとウクライナの停戦協定は多少の歩み寄りはあるものの、なかなか良い方向には進まないようです(もちろんその原因は元凶のプーチンにあるのですが)。ロシアは地上戦で思うように作戦が進まない腹いせに、最近は空爆でウクライナの各都市を無差別に破壊し始めています。何の罪もない人々、子供たちの命が奪われています。胸が詰まります。
ここポーランドはEU加盟国ですしNATO加盟国でもあるので、ロシアもポーランドに手を出すようなことはないと思うのですが、プーチンのことですから何をしでかすのかわかりません。先日はポーランドの国境から20㎞のところにある軍事施設にも長距離ミサイルが飛んできましたし、ウクライナにある原子力発電所の一部やチェルノブイリもロシア軍に占領されています。
いずれにせよこの戦争が長引けば長引くほどウクライナの町はさらに破壊され死者も増え続けることになります。 戦争の裏には世界経済があり、一筋縄ではいかない難しい問題ですが、一刻も早くこの無意味な戦争が終結することを祈っています。  
コロナに続きロシア軍のウクライナ侵攻と世界的に不安な状況が続きますが、落ち着いて日本に帰国できる日が来たら、久しぶりに福岡にも足を運びたいと思っています。 またお会いできる日を楽しみにしています。 お元気で。   











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《鬼杉不動》鬼杉落枝と千本杉 150×50×50cm 2022年
 
 知足です。2月27日(日)に《鬼杉不動》を無事に英彦山神宮下津宮(しもつぐう)に奉納することができましたのでご報告します。《鬼杉不動》は、平成3年(1991)の台風によって樹齢約1200年の天然記念物「鬼杉」から落ちた枝(不動明王)と、英彦山千本杉の倒木(火焔光背)で制作されたものです。
 作品の報告書「英彦山修験道における自然信仰と森林文化再興のための鬼杉落枝と千本杉による不動明王制作(PDF)」を以下に公開しています。執筆者は知足、石上洋明(福岡教育大学講師)、杉岡世邦(九州大学博士後期、杉岡製材所)、渡辺敦史(九州大学教授)、清水邦義(九州大学准教授)等です。私は「修験道と自然信仰、人畜草木森羅万象、霊木化現、十界修行と杉、四土結界、不動明王十九観、仁王経曼荼羅、制作過程」について説明しました。興味のある方はアクセスしてください。

 
 奉納日は雲一つなく晴れ渡り、雨を心配せず搬入作業ができたことは幸いでした。御加護に感謝しました。彫刻、塗装、報告書執筆、梱包、木枠づくりと、コロナ禍の大学研究室で行ってきました。教育や大学業務の合間をぬって、夕方や土曜日に作業を行い、いまやコンピュータや書物にも木屑がかぶっています。温度調整が必要な膠(にかわ)で繊細な部材同士を繋いでおり、光背や瑟瑟座(台座)も破損しやすい形状です。なるべく水平を保ちながら、振動を軽減しつつトラックで運送し、下津宮まで続く三段の石段を運び上げるのは至難の業です。何度もシミュレーションし、一人で悩みながらの梱包作業でした。トラックの積み込みの際、子供に手助けを頼んでいましたが(日曜なので)、さすがに二人では無理だとあきらめ応援をたのみました。台座制作者の池上一則さん(長崎の大工池上算規)、石上さん、杉岡さんがかけつけてくださり、本当に助かりました。心の底からありがたかったです。

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さまざまな問題を解決しながら協力して積み込みに成功しました。
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英彦山神宮高千穂秀敏宮司をはじめ
神宮関係の方々からもご助力賜りました。
宮司の計らいで奉幣殿までのケーブルカーの費用など
免除していただきました。
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御輿隊や英彦山地域デザインLLPの方々も
手を貸してくださいました。
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奉幣殿から下津宮までの移動は
山伏の方々も助力してくださいました。
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地面には雪が残っており、なかなか木枠を下に置いて
やすめません。また雪で足元がすべります。
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鬼杉不動のお顔は大南神社の不動明王坐像と
高千穂有昭禰宜をモデルにさせていただいています。
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有昭禰宜は毎朝下津宮でお勤めをされておられます。
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地元の方が撮ってくださった画像
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みなさまご協力誠にありがとうございました
他にも多くの方にご助力いただきました。
おにぎり等の差し入れも嬉しかったです。
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制作・積み込みメンバー(池上さん、杉岡さん、石上さん+撮影者の子供)
鬼杉不動制作報告会
4月2日の「英彦山と杉《鬼杉不動》制作報告会・参拝」
のチラシです。
→チラシ(PDF)ダウンロード

[追記]
高千穂秀敏宮司より以下のお言葉を賜りました。
「先日はお疲れでした。
これで信仰の山【霊山・英彦山】復活の
第一歩を進める事が出来ました。
誠にありがとうございました」

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【3月13日 開眼供養と護摩供】

 本日、奉納した《鬼杉不動》の開眼供養(かいげんくよう)が、英彦山神宮下津宮で行われました。制作された不動明王に、御霊をこめる法要のことです。開眼供養と護摩供を執り行なう高千穂有昭禰宜(ねぎ)は、神官でもあり僧侶(比叡山で修行・得度されている)でもあるという、まさに神仏習合の英彦山修験道の中興の祖となるような方です。英彦山で修行されている修験者の方々と共に、一心に供養を行なわれている姿は、本当に尊く、感動的でした。明治期の廃仏毀釈(はいぶつきしゃく)で辛酸を味わった先祖達の無念が晴れていくように感じました。

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天平の仏像のように整った横顔をされています。
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花の葉(しきみ)が法具を荘厳しています。
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複雑な所作の一環として、
鬼杉不動に向かって梵字を捧げておられるようです。
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修験者の方々と一心に祈りを捧げておられます。
読経と太鼓、錫杖、法螺貝が響き合います。
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多くの方々が手を合わせておられました。
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開眼法要の後に、護摩焚きが執り行われました。
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焔に照らされ、不動明王としての実在がたちあがったように感じました。
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護摩木が瑟瑟座(しつしつざ:台座)にみえました。
また、たちのぼる焔と煙に不動明王が化現するかのようでした。


以下に、開眼供養の様子を静止画と動画であげています(携帯で撮影したもの)。








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西日本新聞の吉川記者が記事を掲載してくださいました。地元の方が、参集された方々に内容を紹介してくださっていました。







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 知足です。
【2/14《邂逅》除幕式】 私の鉄の彫刻《邂逅》(2015年)が、九州大学伊都キャンパス椎木講堂2Fに設置され、除幕式がありました。九州大学同窓会基金(文学部卒・梶山千鶴子氏等)の寄付として寄贈されたものです。
作品の趣旨を以下のように説明しました。 →HP《邂逅》ページ

―――― 「《邂逅》の設置に際して」 知足美加子(芸術工学研究院)
 本日は、寄付者の梶山千鶴子様をはじめ九州大学同窓生、九州大学関係者の皆様のご尽力をもちまして、このように素晴らしい機会を与えていただき、心より感謝申し上げます。誠にありがとうございます。これより、この作品の3つのテーマと、制作の工夫についてお話させていただきます。
■まずひとつめは、「出会い・邂逅(かいこう)の尊さ」です。 森信三(のぶぞう)の「人生で会うべき人には 必ず会わされる。 それも一瞬たりとも早すぎもせず、遅すぎもせず」 という言葉があります。 私は英彦山山伏の子孫です。実家の北海道犬を散歩させている際、野生の鹿と遭遇しました。両者は本能的に身構え、一瞬、互いを深く見つめ合いました。 何かが大きく変わり、動き出す、「出会い」の瞬間です。私は、永遠というものは、一瞬の深さの中に宿るものだと悟りました。 大学は、邂逅とよべるほどの出会いがまつ空間だと思います。 恩師や仲間、さまざまな経験、書物をはじめ、未知の研究テーマと発見。そ の出会いが、世界を大きく変えていくかもしれないのです。その尊い一瞬のことを、タイトルとしました。
■2つめは、「再生」です。 英彦山には3羽の鷹が鹿を救済するという伝説があります。 昔、狩人の恒雄が英彦山の白い鹿に矢を放ちました。 すると山頂から3羽の鷹が飛来し、1羽は矢を抜き、1羽は血を拭い、1羽は水を浸したヒノキの葉で傷をいやしたのです。 すると、鹿は蘇生し、駆け出しました。 その姿をみて、狩人は殺生の罪を思い知り、忍辱という修行僧となりました。 私はこれを、困難に対する「知」の在り方に例えることができると思います。 ●矢を抜いた鷹は工学などを  ●血を拭った鷹は医学などを  ●ひのきの葉で癒した鷹は文学や農学、芸術などの力に例えることができると思います。 この彫刻は、3羽の鷹の力が結集することで、尊い命が「再生」する瞬間を表現しています。
■3つめは、「盾となり、大切なものを守る」というテーマです。 2014年に『鹿の王』というファンタジー小説が出版され、いまアニメーションにもなっています。 その中で、鹿の王について「群れが危機におちいったとき、危機にいちはやく気づき、我が身をとして、群れを助けようとする鹿があらわれる。 こういう鹿を尊び、鹿の王とよぶ」とあります。 鹿の王とは、群れを支配する者という意味ではなく、本当の意味で、群れの存続を支える、尊い存在をさします。 できれば、九州大学の人間は、研究の力によって、大切なものを守る存在でありたいと願います。
鹿であること、そしてこのポーズをとることには、以上の3つのイメージを重ねていることを、ここにお伝えします。
 次に制作者としての工夫についてお話します。 私は、1年かけて英彦山神宮に奉納する木彫の不動明王像を制作しおえたばかりです。 みなさんは、「なぜこの彫刻は木彫とはちがい、空洞なのだろう」と思っていらっしゃるかもしれません。 実は、空洞を「つくる」は大変な作業でして、まず径13mmの鉄棒を曲げるために、溶接機で熱する必要があります。 そしてツチでたたきます。一方向から曲がっているだけはだめで、360度の方向からみて、必要なラインを成形しなくてはいけません。 それから、必要な角度に一本ずつ溶接し、どの方向からみても鹿にみえるようにするのです。 要素が多すぎるとうるさくなり、少なすぎると形になりません。時間をかけて「形」と対話します。
 なぜそこまで、苦労するかといいますと 「見えないものの大切さ」に気づいてもらうためなのです。 この彫刻の内と外の空間は、成分的には同じです。 ですが、心を込めて制作した形によって、心の中に描くイメージ=「存在」が立ちあがります。見えないのに、イメージがある、という状態になります。 私の先祖の山伏たちは、自然を神仏として崇敬してきました。 私もそれにならい、環境にあらがい、自己主張するような作品ではなく、環境そのものと人間の心のつながりこそが大切であることを表現したいと望んでいます。
 自然とアートをつなげることは、私の根本的なテーマのひとつで、九州北部豪雨の際、災害復興支援団のなかでも活動を展開してきました。 今年は、まだ企画段階ですが、6月に伊都キャンパスで開催されるグローバルヤングアカデミーの学会「感性と理性のリバランス」から依頼され、ビックオレンジ前の花壇を、「植物の1年時計」として再制作する可能性があります。 生物多様性ゾーンの多年草をつかって、一年かけて月ごとに植物が開花する「一年時計」のアイディアをあたためています。 東西南北と季節の方向をあわせ、天体や植生と人間の関係を、学生が意識してくれたら嬉しいです。 また、できれば生物多様性ゾーンへの意識喚起や、現地誘導につながればいいなと願っています。 オンライン開催となり未定な部分もおおいですが、心にとめおいていただければ嬉しいです。 これで、私からの説明はおわります。 
椎木講堂設置1
椎木講堂設置2


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【4/2「英彦山と杉 《鬼杉不動》制作報告・参拝」】

鬼杉不動制作報告会


 英彦山の鬼杉落枝と千本杉で制作した《鬼杉不動》が1年2ヶ月かけてついに完成しました(⇨制作の趣旨説明ページ)。この制作報告書を現在印刷中で、PDFでも公開する予定です。
木枠をつくり梱包して、2月末に英彦山下津宮(しもつぐう)に移動するまで、気が抜けません。無事に奉納できましたら、またご報告したいと思います。4月2日(土)に英彦山神宮社務所にて、制作報告会を行う予定です。
 朝日新聞の渡辺純子さんが素敵な記事を書いてくださいました。ありがとうございました。

 
朝日新聞2022.2.8














【木と石の時計づくりワークショップ】
 
 2011年から9年続いた福島県子育て施設への野菜送付事業ですが、寄付金不足から昨年より休止しています。
コロナ禍の中、みなさん、言葉にならないたくさんのしんどい思いや経験を重ねられたことと思います。
子育て中の方、妊娠中の方、受けて然るべき支えやサポートが滞り、苦しまれたことも多いのではないでしょうか?

 福岡エルフの木の支援先のひとつだった「NPOこみゅーんwith助産師(→HP)」から、「いわき市まち未来創造支援事業Newノーマル時代の子育て女性の健康支援ステーション」の一環として福島県いわき市の親子へのアートワークショップ講師の依頼を受けていました。
そこで10月24日(日)、「いのち・つながり、〜木と石の時計づくりワークショップ」をオンラインで行ないました。 事前に道具や材料を送付しておき、オンラインで指導をするというものです。時計の材料は、2017年の九州北部豪雨災害復興支援として松末小学校で行った時計作りのワークショップ(→HP)で用いたものです。
 ワークショップでは、木の年輪の意味自分と誕生日と同じように1年に1本の年輪ができること。さかのぼると自分やご両親が生まれた年輪がわかること)などをお話ししました。ここで使われている木材は、豪雨の時に倒れずに流木をとどめた杉だから、きっとこれからのみなさんのことも守ってくれると思う、と話しました。心をこめて美しいものを作れば、「嬉しい。楽しい」という思いがずっと続きます。新しい素敵な時間を、自分の手で刻んでいけるのです。
 この時計づくりのために、数字や、動物や昆虫がついた飾りを、私の方でアクリル(レーザーカッター)を使って手作りしました。生き物が好きのお子さんが多く、人気を博していたようです。
 お子様たちの作品の写真が届きましたので掲載させていただきます。
 みなさん、ほんとうに素敵なお子さんとお母様、スタッフの方々でした。どれも素晴らしい出来栄えで、驚きました。みなさんの美しい心が伝わってきました。この時計を眺めるとき、少しでもあたたかい気持ちになっていただきたいです。そこに流れた時間を思い、大切にできる大人に成長していってください。いつも応援しています。

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こみゅーんステーション・ワークショップ チラシ

→NPOこみゅーんのスタッフの方から御礼の言葉をいただきました。また、道具を返送して下さった際、いわき市の名産品や美味しいお菓子を同封してくださり、誠にありがとうございました。赤べこ、かわいいです!
震災の影響で廃校になった「いわき市立田人第二小学校南大平分校」で制作された木製鉛筆「旧校鉛筆→HP」も素敵です。今回の時計のコンセプトに繋がる「木のいのちの物語」を感じ、とても嬉しかったです。

(お礼のメールと贈り物)
◾️10/24は、とても楽しいひと時を頂きまして、 大変ありがとうございました。 時計を作る「意義」を参加のお母さまがお子さんに伝えている姿や Zoomにて、先生からうかがった、年輪を通じての生きてきた月日への敬愛や 製作を通しての親子の触れ合い等 感慨深い、大切な時間でした。
◾️先日のワークショップにあたりましても、大変お世話になり、ありがとうございました。 先生の生命観が広がるアートワークショップを、 まずはオンラインではありましたが、実現できましたこと、とても嬉しく思っております。 思いや意義のこめられた木の時計は、参加された親子の皆さまとも余韻を共有でき、あたたかな豊かな楽しみを感じされてくれます。  知足先日のワークショップのレポートも、素敵です♪ お写真をお送りするだけであたふたしている私たちですが、 どうぞ今後ともよろしくお願いいたします。
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*(旧校鉛筆説明)1885年(明治18年)に開校した、いわき市立田人第二小学校南大平分校。当時の面影を残す貴重な木造平屋校舎は、震災により倒壊の危険が高まり、2014年(平成26年)、ついに廃校となりました。磐城高箸では、校舎に出来るだけ手を加えずに改修し、周囲の山々から丁寧に伐り出された間伐材を使用して、その廃校で鉛筆を作り始めました。


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【英彦山銘木による不動明王制作経過報告】

 九州北部豪雨災害支援、英彦山修験道復興支援として、英彦山神宮より依頼を受けていた、鬼杉による不動明王の制作も進めております。→英彦山銘木による不動明王制作プロジェクト
 まだ途中ですが写真を掲載しています。本躰は、樹齢1200年の英彦山の鬼杉の落枝(平成3年台風による)、火炎光背は英彦山の山中で製材した、千本杉の倒木です。どちらも木目(杢目)がみごとです(→鬼杉と、山中製材の報告ページ)
 不動明王の片目は太陽のように見開き、片目は月のように半眼です。偶然ですが、鬼杉不動の瞳がそのまま木目となっていて、作りながら感動しました。火炎光背も木目が炎のようになっています。彫っている本人がよくわからないのですが、まるで、木に導かれるように形が生まれていきます。とても不思議です。英彦山神宮禰宜(ねぎ)の高千穂有昭さんが「この鬼杉の落枝と千本杉倒木は、こうなる(不動明王になる)ために在ったのかもしれません」とおっしゃってくださり、私も深く共感しました。
 
鬼杉不動瞳2021.10.20

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(↓2021.11月途中経過)
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知足です。
2021年2月13日23:08 福島沖でM7.3の地震が発生しました。
いわき市の「助産師会コミューン」の草野祐香利さん、白河市の「母子支援室まごころ」の辺見間智子さん、郡山市の「mama"s サポート助産室munakata」の宗形初枝さん、白河市の「たんぽぽサロン」の永野美代子さんと連絡がつき、みなさんご無事だということです。

ーー
(23:43、草野さんより)

こんばんは。福島・草野です。
今のところ、大きな被害はなさそうです。物が少し落ちたりしましたが、ライフライン今のところ問題ありません。
311を思わせる大きな地震でしたが、津波の心配なし、原発異常確認中です。まだ、余震に備えています。
ーー
(辺見さんより、栃木におられるご家族宅は停電中とのこと)

地震もこれ1回だけならいいのですが。時間も短かったので。自然には誰も逆らること出来ないので。備えだけはしっかりしておかなければと思います。
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(宗形さんより)

大変ご無沙汰してます。ずいぶん揺れました。強さは10年前と同じかむしろ強かった感じ。でも揺れる時間が1/5くらいでした。ご連絡頂きありがとうございました。
ーー
(永野さんより)

ありがとうございます。あまりの恐さに震えがとまらなかったです。いろいろ落ちたり倒れたりしましたが、怪我もなく無事です。
(中略) 余震もあり怖い夜でしたが、今は、落ち着き、庭の片付けなどしてました。ずっとご無沙汰してしまい本当にすみません。スタッフも全員無事です。恐怖はよみがえってきましたが今回はあの時の対策もあったのと、あの時よりは横揺れで震度もあの時ほどではなく被害は少ないようです。ありがとうございます。
心を寄せていただき、嬉しいです。ありがとうございます。今回は、被害の大きさよりも、心臓がばくばくするような不安や緊張など、記憶のよみがえりがみんな辛かったと思います。原発が無事でよかったです。
ーー
辺見さんのご家族の職場の壁が損傷したものの、3/11のときよりは大丈夫とのことです。

被災地のみなさんの不安に思いをはせています。
あの携帯の警戒音が流れ、長く揺れたとき、辛いことを思い出された方も多いのではないかと。
災害対処に関しては、みなさん迅速で的確な対応をされていると思いますが
コロナ禍の中の避難、高速道路の土砂崩れ等、心配をしております。
祈ることしかできませんが、ご無事を祈り続けます。


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