知足です。

 九州大学では三谷泰浩教授(工学部)が中心となって「九州北部豪雨災害調査・復旧支援団」がつくられました。研究者の各専門をもって、調査および復旧支援に貢献しようとするものです。土木や河川、農林、医療などの専門家47名がメンバー登録しています。私が所属する芸術工学研究院のメンバーは、主にデザイン(建築、アート)の分野で貢献します。私は、7月22日(土)に朝倉市を中心に調査を行いました。
 避難所の問題のひとつに、野菜不足(現在ほぼ3食がお弁当)があります。野菜送付を行ってきた「福岡エルフの木」が貢献できるのでは、と幾つかアイディアを朝倉市役所に提案しました(炊き出しやデリバリー)。朝倉市杷木地区では3週間断水が続いており、感染症のリスクが高まっていることから、すべての炊き出し企画をストップしているようです。朝倉市の野菜直売所(みなみの里)の方と、何か工夫してあたたかいものを届けたいと考えあわせているところです。
 今必要とされているのは、「道など土木関係、水などのインフラの復旧」および「泥出しと掃除の人手」です。断水やトイレの問題から、本当に必要とされる方々が被災地に向かってほしいと思います。

■朝倉市杷木星丸「松末小学校」・被害状況調査
 同行してくださった杷木の杉岡製材所代表の杉岡世邦氏のお話だと、この地域の地質は、花崗岩が深層崩壊して砂状になりがちということ。小学校向かいの山肌が崩壊しています。避難していた小学生たちが目の当たりにした状況を想像し、彼らの心理的ケアの必要性を強く感じました。杉岡さんが大事に育てていた森が、東峰村に向かう道の先にあるのですが、通行止めになっていました。


■朝倉市杷木林田「杷木小学校」・仮設住宅予定地調査
仮設住宅用のくい打ちが行われています。熊本震災の経験から、仮設は木造で造られることとなりました。末廣先生が地域の集会所「みんなの家」の予定地を計測されました。


■朝倉市三奈木「旧朝倉農業高校」、矢野竹「あまぎ水の文化村」・流木調査
 流木の集積所が県内22か所あり、朝倉市のものを調査。流木は、バイオマス化される予定。被害をもたらした流木をよいものに変えていくことが、デザインやアートの役目だと思い、流木の再利用を計画しています。私は流木を素材とした彫刻を作ることができたら、と考えています。

■朝倉市杷木池田「杷木中学校」、久喜宮「サンライズ杷木」・避難所調査
 食事スペースや子連れ家族用のゾーン分けが適切に行われています。備品の分別、洗濯ものも男女別になっており避難所ケアが行き届いています。
 サンライズ杷木では、被災者の方々とのミーティングの場を日野博さん(志波地区避難所運営委員会・情報広報班)が設けてくださいました。杷木は、地域の結束力が強く、被災者の方々は懸命に自助努力を続けていらっしゃいます。最も必要としていることは、住宅および果樹園への道が開通することだそうです。果樹の消毒をしたい、自宅冷蔵庫の腐敗をなんとかしたい、という声があがっていました。お盆までには自宅の片付けをしたいという要望が強かったです。 
 活発な方々がおられる一方で、静かな環境が必要な避難者が壁側に横たわっている状況もありました。医療の視点からのケアが、今後ますます大切になってきそうです。
 避難者からは、野菜不足を訴える声もありました。朝倉市役所に問い合わせたところ、現在炊き出しサービスを臨時的に止めているとのこと(断水が続いているため、感染症のリスクが高まっている)。
 個人的には、避難者自身による避難所内での煮炊き(それによって被災者が収入を得られるとよいのですが)、避難所以外での野菜料理の供給の仕組みなどが必要と考えています。