知足です。福島の永野さんより、思わず笑顔になってしまう陽だまりの中のお子様達のお写真と、深く考えさせられるお便りをいただきました。実は九州北部豪雨災害の復興支援(11/10)(復興の庭活動報告)の取組みの中で、福岡エルフの木の活動を紹介したところでした。福島など被災地の思いを感じ、寄り添い続けること、愛と尊敬を送り、意識を継続させる仕組みが必要であることを話しました。この活動の意義は、みなさんの今を伝えることです。永野さんとの信頼関係の中で話してくださった、福島のお母様たちの声を、お伝えします。


 知足様

こんばんは。福島県たんぽぽサロンの永野です。
今月も新鮮な野菜が届きました。
箱を開く瞬間も、嬉しいですし、野菜に添えられた、生産者の皆様からの調理の仕方が書いてある野菜のご紹介文もとても楽しくみんなで見ています。
今回は、みかんがはいっていてみんなで喜んで
お昼の時間に食べました。写真を撮ろうと思ったら、もう食べちゃった後でした。
ママ達も「皮が薄くてとても甘くて!びっくりした!」と、とても美味しくいただきました。
土付きの大和芋もママたち喜んでいました。
他の野菜もみんなで分けて持ち帰っていただきました。
みかんを見つけた途端に大はしゃぎで、嬉しそうなお子さんのお写真を送りますね。


FullSizeRender


こどもたちの笑顔を見て大人たちもみんな笑顔になりました
ご支援くださった皆様に、心より感謝いたします。

実は先日、静岡県に行って保育士・保護者向けに講演をしてきました。
その中で、やはり震災当時のことを振り返りつつも、今現在の母親の気持ちについても話しをさせてもらいました。

一部ですが…ここに添付いたします。
良かったら、読んでみてください。

             たんぽぽサロン
               永野美代子

--------------------------

7年半が経過した福島の状況
 当時、生まれた子どもたちは小学1年生。
 当時、2,3歳だった子ども達は小学4、5年生。
 当時、幼稚園生だった子ども達は、小学校6年生、中学1年生になります。
今の福島のことは、もう全国で報道されることは少なくなってきていると思います。
でも、いまだ避難中の親子がいます。
7年以上が過ぎた今も、大きな傷付きの中で、一生懸命子育てをしています
 
そして、避難したかしないかにかかわらず、震災当時、子育てするなかで
緊張と不安で泣いていた福島の母親たちは子どもたちを守ろうとするためにできることをそれぞれの立ち位置で考えて真剣にやってきました。
普段は気にしないようにして前向きに生きようとする親がたくさんいます。
 
数日前に、震災当時、たんぽぽサロンに遊びに来ていた2歳~5歳だったお子さんのお母さんに
「震災から7年半過ぎて、放射線の不安を含めて、福島は復興したと思いますか?
あの時のこどもたちが7年育ってきて、心配はありますか?」と
思い切って聞いてみました。少したってから戻ってきたメールにはこう書いてありました。

******
 
🔷 放射線の問題は終わってなどいないです。
だって、震災前に決して戻れることはないんです。
(二年に一度の)甲状腺ガンの検査をする度に揺れて、検査結果の封筒を開くのがとても不安で辛いです。
この検査は必要だと思うけれど震災さえなければ味わわなくて済んだはずです。
もしも、何か異常がみつかった時に因果関係が認められるのかも心配です。
そして、7年前に一番のびのびと遊びたいときに、何もわからない子ども達に
あれもダメこれもダメと、たくさんの制限をしてしまったことが申し訳なくて
あのときの自分がしたことの影響を考えてしまうことがあります。
味わわなくてすんだはずの想いを子どもにさせてしまったことは消えないです。


🔷  福島県は決して復興はしていないと思います。
ただみんながそれにあえて触れようとしないだけであって、放射線に対する今後の不安が無いわけではありません
今のところ、子ども達には身体的、精神的な部分で目に見える大きな影響は出てはいませんが、
これから子ども達が成長していく中で、もしかしたら何らかの形で出てくるのではないかと考えると怖いです。
「福島県出身」というだけで、レッテルをはられて嫌な思いをさせられたり、
もしかしたら結婚する時に問題視され、差別?される可能性もないとは限らない…
特に娘に関しては出産して無事に健康な赤ちゃんが産めるのか?何か影響は無いのか?など…大げさかもしれないが、どうなるかは誰も分からない…と考えてしまいます。
震災があった事で何の罪もない子ども達の未来が、思いもよらない悪い方向に進まないことを願います!
 

🔷 復興したかどうかと、聞かれれば何を基準に判断するのか分かりかねます…
あの事故がなければとは、思いますが、
今の全国各地の異常な災害状況を考えれば、いつまでも被害者では、いられないとも思ってます。
私は、福島の子どもたちに対して、差別のない社会であってほしいと、皆さんにはお願いしたいです。

**********
 
皆さんにこの親の想いを伝えることも 私の大きな役割と考えてご紹介しました。
私が聞いたので、伝えてくれたこの思いは彼女たちが口にすることはまずありません
こどもたちの前ではそんな不安など全く見せずに朗らかに笑って
元気に日常を過ごしています。
お母さんだって泣きたいときはあるはずなのに、こどもを不安にさせないように振る舞う姿は 以前にもましてたくましいです。
そんな親もまた支えていきたいと思います。
(永野美代子)


FullSizeRender

FullSizeRender